体外受精実績

1. 開院から現在まで(2005年4月~2023年12月)の治療時年齢別体外受精実績



 開院から現在まで(2005年4月~2023年12月)のすべての胚移植あたり治療時年齢別妊娠率


日本産科婦人科学会の「体外受精・胚移植等の臨床実施成績」に登録した当院のデータをわかりやすく表しました。
2005年4月の開院から2022年12月現在までに、4125人の患者さんが体外受精で継続妊娠されています。
当院では、凍結胚移植を積極的に行っているため、新鮮胚移植の症例が少なく、新鮮胚移植の妊娠率は低めですが、全ての移植を対象にすると、良好な結果が得られています。
年齢は治療を実施した時の年齢で、凍結融解胚移植では移植を実施した時の年齢です。妊娠は胎嚢が確認できた段階で妊娠と判定しています。

厚生労働省より施行された「医療広告ガイドライン」の「他の医療機関と比較して優良である旨の記載」は禁止されているため、全国または他院との成績を直接に比較していません。
全国の成績は日本産科婦人科学会の登録・調査小委員会報告の「ARTデータブック」から閲覧できます。
主要データを一部抜粋したデータ、 ART妊娠率・生産率・流産率も参考にしてください。


 

2. 直近1年間(2023年1月~2023年12月)の治療時年齢別体外受精実績

 

直近1年間(2023年1月~2023年12月)のすべての胚移植あたり治療時年齢別妊娠率

 

直近1年間(2023年1月~2023年12月)のすべての胚移植あたり採卵時年齢別妊娠率

日本産科婦人科学会への登録は、治療した時(移植した時)の年齢のため、1人目の治療で妊娠し、2人目の治療に1人目の余剰凍結胚を移植した時は、若い時の胚を使用するため、妊娠率が高くなります。参考のため、採卵時の年齢における妊娠率も示しました。

 



 

3. 年別すべての胚移植あたり妊娠率の推移

 2010年以降は毎年40%を上回る良好な成績が得られています。


4. 年別採卵件数と移植件数

新鮮胚移植は年々減少し、2022年以降の移植は、すべてが凍結融解胚移植でした。
県内の体外受精実施施設の増加により2018年以降件数は減少していますが、県内では最多症例数を実施しています。


 

5.初回採卵時年齢別生産率

体外受精の治療を行った方が出産できた割合を、初回に採卵を行った年齢別に表しました。2015年~2021年に初診で来院した患者さんを対象にしています。初回に採卵を行った年齢が35~37歳の患者さんでは85%の方が、全年齢では79%の方が出産されています。


 

6. 年齢別採卵回数累積生産率

当院の年齢別の採卵回数における累積妊娠率で、1回の採卵で妊娠できなくても、採卵を繰り返し行った時に、何回目の採卵でどれだけの方が出産できたかを表しています。
1回目の採卵で出産に至った方は、33歳で約60%、36歳で45%、2回目の採卵を行い出産に至った方は33歳の方で約80%、36歳の方で68%と、あきらめず治療を続けることで妊娠する可能性は高くなりますが、妊娠できない方もいます。年齢は妊娠するために一番大きな障害になり、年齢が高くなると卵の数と質が低下し、良い胚が得られなくなり、妊娠は難しくなります。

不妊治療を受けている患者さんの80%以上が、希望する子どもの人数を2人以上と考えています。当院では2人以上の子を希望する患者さんには、1回目の採卵で凍結胚が得られても、繰り返し採卵を行い2人目が望める程度まで凍結胚を貯める方法も行っています。そのため採卵の度に移植を繰り返す施設よりも、採卵当たり、または採卵回数あたりの妊娠率は低くなります。2022年4月からの保険適用により、保険で治療を行う方は、原則として貯胚はできなくなりました。



7. 年齢別1回の採卵あたり採れた卵数と凍結保存できた胚盤胞数

1回目の採卵で、凍結保存を予定に採卵を実施した患者さんを対象に、どれだけの数の卵が採れ(獲得卵数)、どれだけの数の胚盤胞が凍結できたか(凍結胚盤胞数)、どれだけの周期で凍結が実施できたか(凍結実施率)を採卵時の年齢別に表しています。
卵巣刺激にはいくつかの方法があり、患者さんの卵巣状態に応じて選択しますが、1回の採卵あたりの妊娠率を高くするためには、複数個の卵を育てることが有効です。当院では多くの卵を育て、採卵後に胚盤胞で凍結保存を行い、周期を改めて融解胚移植を行う方法を主流に行っており、日本の体外受精の主流にもなってきています。
若い方は、採れる卵、凍結できる胚盤胞が多く、年齢が高くなると採れる卵が減り、凍結できる胚盤胞も少なくなります。

8. PGTの正常胚率と妊娠率

当院のPGT-Aにおける年齢別正常胚の割合です。

正常胚を移植した時の、年齢別の妊娠率と流産率です。