子宮因子

子宮筋腫

すべて手術して子宮筋腫を取り除かなければならないというわけではありません。経膣超音波断層法やMRIにより筋腫核の存在場所を確認し、粘膜下筋腫や筋層内筋腫(図)で子宮内腔の変形を伴う場合は手術適応となる場合があります。腹腔鏡下にあるいは開腹して子宮筋腫だけを取り除き、子宮は温存します。粘膜下筋腫の中には子宮鏡で観察しながら子宮腔内に挿入した小さな電気メスにより取り除くことが可能な場合もあります。その場合は、開腹の必要がありません。

子宮腺筋症

時として、強い着床の阻害因子となります。体外受精を施行してもなかなか着床してくれません。病変が子宮全体に広がっている瀰漫型と子宮の一部に限局している限局型の2つがあります。限局型の子宮腺筋症に対しては手術により病変を取り除く場合がありますが、手術が有効と思われる場合は非常に少ないように思います。薬物療法(GnRHa療法やダナゾール療法)により一時的に子宮腺筋症を軽快させることが出来ます。その間に、妊娠を図る努力をします。排卵誘発・人工授精や体外受精を、妊娠率を高めるため併用する場合があります。